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困った同居人

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 ある日のこと、知り合いの奥方から突然の電話。朝起きたらカラスのヒナが道ばたに落ちていたとのこと。巣から落ちて怪我をしたらしいのだが、急いで獣医に連れて行ったところ、カラスはダメだと門前払いを喰らわされたという。それで困ってウチに電話をしてきたということらしい。断っておくが、ウチは獣医ではない。
 到着したヒナは、右の羽根を折っているようで少し出血していたのだが、それよりなにより大騒ぎで連れ回されたことによるショックの方が大きかったらしく、ダンボールに入れて暗くしてやったらやっと落ち着いたようだった。名前は即座に思い浮かんだ"カン"にしたがって "クーチ" と呼ぶことにした。
 実は以前にも似たような状況で、脊損でまったく歩けないカラスを飼っていたことがある。歩けないだけによくなつき、甘えたり、すねたり、大変だったが、頭が良いだけに動けないのが可哀想でもあった。
 嫌な予感は杞憂に終わり、今回のカラスの仔は羽の手当をしてやったら2週間ほどで飛べるようになった。昨年の10月のことである。野鳥は基本的には飼育してはいけないことになっているから、完全に治ったら放してやるつもりでいたのだが、北海道はこれから本格的に寒さが厳しくなるという時期だったのがまずかったらしい。そのまま居着いてしまった。春になって恋の季節にでもなれば事情は変わるのだろうが、外は一面の雪。ドアが開いていても怖がって、いっこうに出て行こうとはしない。
 自分の部屋にはもともとペルシャ猫が同居している。この猫はこれまた信じ難いことに、真冬に捨てられていたのを仕方なく拾ってきたものである。当時は凍傷がひどくて大変だったが、今ではすっかり落ち着いて人の邪魔をせず同居している。ところが、今度の新入りは彼女が嫌がるのもどこ吹く風、部屋の中を飛び廻って大暴れをしている。昼の間は自分か妻がいないと不安になるのか、姿が見えなくなったとたんに大騒ぎをする。ただ、夜になるとカゴの中に入っておとなしく寝る。
 エジプトだったか、ローマだったかは忘れてしまったが、確か、カラスは神の使いだとか。だが、この新入りはどう見ても神の使いではない。まさに Jampin' Jack Flash、本当に困ったものだ。

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この記事は著者が2007年2月 2日に書いたものです。

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