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ライカボディ

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 はじめから蛇足で恐縮だが、ライカは一般的にバルナック型、M型、そして一眼レフと大雑把には三つのタイプに大別することができる。このなかではM型、次にバルナック型が人気でコレクターも多いようだ。コレクションはどこぞのお金持ちにまかせておくとして、ごく少数だけ厳選して愛用するには何を選べばいいのだろう。
 バルナック型は、その小振りな外観からは想像できない密度感、まさに軍艦部と呼ぶにふさわしい上部のたたずまい、黒塗りに銀象嵌、ニッケルのなんともいえない渋み、あるいは上質なメッキ等で、我々数寄者にとっては、深夜ひとり酒でも飲みながら飽きずに眺め、触り、覗き、優雅な時間を楽しめるモデルである。風呂に浮かべたくなるのは、このモデルである。戦前戦中も製作され、国破れてもライカあり、戦後も多数製作され続け、ご存じのとおりさまざまなモデルがある。
 さて、M型である。ライカといえばM型というぐらいの革命的な写真機であった。M3 はレンジファインダーの写真機として製作されたわけだが、はじめから完璧なものとして誕生してしまったため、あとのモデルは改良というよりは、その派生モデルにすぎない。人間はいろいろな機械を生み出してきたわけだが、M3 のような工業製品が果たして他にあったのかどうか、少なくともすぐには思いつかない。その結果、わが国が一眼レフを開発するようになりその後世界のカメラのほとんどを製造するようになる、いわば原因となった写真機でもある。
 当然、ライカが一眼レフを開発したときには、すでにわが国の一眼レフがかなりの機械になっていたため、時代遅れの感はまぬがれないものの、その造りはライカらしく素晴らしいものがあった。しかしその後のライカの一眼レフは常に日本製の一眼レフを追いかけるかたちで製造されていて、その辺の事情はみなさんもご存じのとおりである。Rのレンズに素晴らしい描写のものがあるのは充分承知しているつもりだが、写真機そのものは"いいかげん"にしてもらいたいものである。慣れの問題もあるのはわかるが、客観的にみれば日本製の一眼レフに比べてファインダーが決定的に劣っている。
 写真機を飾って眺めるのもまた楽しいものだが、色男で金もないのでたくさんのライカを所有できるわけでもなく、色男で力もないのにいつも持ち歩いてこの世の森羅万象を撮りたいという、そんな我々にはいったいどのライカがふさわしいのだろう。若気の無駄も当然必要だが、どうせ人間年をとるにつれ、気に入ったものだけしか残らなくなるようである。

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この記事は著者が2007年2月 8日に書いたものです。

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