記事のページ

Mac OS X と AMP(下)

SL-WB.jpg
 Mac OS X および Mac OS X server の現バージョンは 10.4 Tigar、もうすぐ Leoprad が出てくる予定である。当然 Apache や PHP、MySQL についても、日夜バージョンは上がり続けていく。現在、Webページを表示するための Webサーバに使われる Apache は大きく分けて1と2のバージョンが、PHP では4と5が、 MySQL のバージョンも 4 と 5 がある。
Xserver.jpg
 現在、実際に稼働しているレンタルサーバに採用されている組み合わせとしては、Webサーバには Apache1.3、そして PHP4.4系列、MySQL4.1系列という組み合わせが、最低限のスタンダード、基本と考えていい。この組み合わせ以下のバージョンはおそらくもう古い。このごろは、Apache には 2.X の系列を使い、PHP、MySQL 共に 5.X の系列を使うサーバも多くなってきている。ちなみに、Mac OSX server 10.4 Tigar は、Apache が 1.3系列、PHP が4.4系列、MySQL が 4.1系列という組み合わせになっており、Mac OSX server 10.5 Leopard では、Apache が 2.2系列、PHP が 5.2系列、MySQL が 5.0系列となる予定である。Mac OSX 10.4 Tigar では、MySQL はインストールされていないが、Apache と PHP に関しては Mac OSX server 10.4 Tigar と同じものが、元から載っている。
 大まかに言えば、Apache に関しては 1.3系列であろうが 2.X系列であろうがあまり深刻な問題にはならない。ところが、PHP が"ソケットファイル"を通してデーターベースサーバである MySQL に接続して、データを取り出したり格納したりしている関係から、バージョンによる組み合わせによっては予想もつかない事態に陥ることもある。実際、レンタルサーバでも PHP4.3系列と MySQL4.0系列の組み合わせで安定動作していたものを MySQL4.1系列にバージョンアップした際に大問題になったことがある。MySQL が誰にでも勝手にデータを渡してしまってはとんでもないことになるため、普通はユーザー ID とパスワードを設定することになっている。ところが、MySQL4.1系列ではこのパスワードの暗号化の仕方(ハッシュアルゴリズム)が、変更されてしまったために、PHP4.3系列からは接続不能になってしまったのである。MySQL にパスワードを設定するのを忘れていたというおめでた〜いケースでは問題にはならないのだが、パスワードを設定していた場合には、MySQL に古いパスワード形式、oldpassword を認めてもらうような、めんどうくさい設定をしないとデータを読むことすらできなくなってしまった。
 Mac OSX server 10.4 Tigar をいじっている方の中には "あぁ、あのことか" と思い当たる方もおられることと思う。なんと、アップルですらヤッてしまったのである。PHP4.3.11 と MySQL4.0.23 の組み合わせだったらちゃんと動いていたのに、MySQL4.1.10a にバージョンアップされたとたん、プログラムは動かなくなった。しかも、である。PHP は、データーベースサーバである MySQL に"ソケットファイル"を通して接続している、と先ほど説明したが、なんとその"ソケットファイル"の場所まで変更されてしまったものだからタマらない。アップルもさすがに対策を掲示しなければならないハメに陥った。
 サーバをバージョンアップするときは慎重に、なるべく安定バージョン(少し古いバージョン)を使え、というのも一理ある。まあ、MySQL4.1系列はその他にも UTF-8 のからみから文字化けの問題があって、さんざん掲示板やら Q&Aやらをにぎわしていた時期もあったのだが。
 そのようなめんどうを嫌うのなら、MAMPXAMPP for Mac OS X のような、出来合いの開発環境を使いたくなるのももっともな話ではある。しかし、 先にも書いたが MAMP では、CGI で使う Perl のライブラリが全く実装されていないし、XAMPP にだって ImageMagick までは載ってはいない。つまり、必要とされるパーツが完全にそろっているわけではないから、MAMP や XAMPP もそのままでは使えないことがほとんどである。
 結論から言えば、『 MacでWeb開発をするのには、大変便利な MAMP や XAMPP といったものがあるけれど、Perl やら ImageMagick やら不足しているものもあるから、一回は、ご自分の Mac OS X に開発環境を組んでみた方がいいですよ 』ということである。一回自分で組んでみれば、 MAMP や XAMPP に何かを付け足すのにもあまり苦労はしなくなるし、Mac OSX server も同様の操作でいじれるようになるというおまけまでついてくるので、格好のいい"Mac の UNIX 使い"にまた一歩近づくことができる。
 特に、Macでサーバを運用しようとする方にとっては、MAMP や XAMPP を使って開発できたところであまりメリットはないだろう。Mac OS X 10.4 server でサーバを運用しようと計画される方は Mac OS X 10.4 に基づいた環境を使うほうがいいのは自明のことだからである。
 Web の開発を AMP でやろうとされている皆さんは、いずれ避けて通ることはできない場面にも出くわすことになるだろう。それなら、初めから MAMP や XAMPP のような出来合いの開発環境を使ってラクをしようと思わずに、ほんのちょっとだけでも理解していた方がいいんじゃないだろうか。

この記事について

この記事は著者が2007年7月 3日に書いたものです。

コメントおよびツッコミ大歓迎です。
すべてのコメントに目をとおさせていただいておりますが、そのうちのいくつかを選んで公開しておりますので、ご了承いただけたら幸いです。

この記事は "マックの道具箱" カテゴリ内の記事です。

カテゴリ内の前の記事は
Mac OS X と AMP(上)」です。

カテゴリ内の次の記事は
Mac OS X と UNIX」です。

最近の記事はメインページで見られます。過去に書かれた記事はアーカイブで見られます。著者自身の撮影した写真は、写真集でご覧になれます。

Made on a Mac